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津軽塗の木地職人

津軽を代表する工芸・津軽塗は、
それを支える数多くの職人によって成立しています。
以前、その中の木地職人さんとお話する機会がありました。
木地職人には、板を組み合わせる「指物師」と
ろくろを使って器を作る「木地師」がいます。
幕末の頃には、津軽全体で31軒もあった指物師も、
現在では1,2軒と言われており、土田木工所はその一つです。

土田木工所は、現在、3代目の土田亙さんの代です。
土田さんは父親に師事する形で木地作りを学びましたが、
木の特性を見極めきれず、力加減を誤り大けがをしたことも。
ある程度納得できるものを作れるようになるには
10年くらいかかったと言います。d0007875_1429840.jpg
木地作りは、材料となるヒバの原木選びから始まります。
津軽塗の木地は、青森県産のヒバが中心。
青森ヒバは厳しい条件のもと生育しているため、
非常に丈夫で、漆塗には最適と言われています。
土田さんも自ら山を歩き、
山の環境や生育状況を確かめながら原木を選んでいます。
選んだ原木は、最終形をイメージしながら製材し、
その後5年ほど寝かせてからでなければ加工に入れません。
加工はすべて手作業です。
塗り師の要望や癖に合わせたミリ単位の調整が必要となる
職人だからこそできる仕事です。d0007875_14294657.jpg
最近は中国産の木地なども出始めていおり、
土田さんが作る手間暇と時間をかけた木地は、
本当の意味で一生もの津軽塗の素材となり得ますが、
その作業に見合った価格では中国産に対抗できないため、
価格を抑えざるをえず、
職業として魅力がないため、
後継者も当然のように続いていません。
「最近では良質のヒバを調達するのも難しくなってきている。
10年もすれば津軽の地には木地職人はいなくなるんじゃないかな」
土田氏が現状を憂いて話したのに対し
父弘昭氏が「おまえががんばれ」と語りかけたのに、
職人の親子を見た気がしました。d0007875_14301363.jpg

このような人たちを見ていると、
安いものを追い求めるのではなく、
良いものを見極める「目」を育てること、
それに見合った対価を支払うことの必要性を感じました。

by YOSHIHITO
by marugoto_aomori | 2006-07-10 14:31 | 手しごと | Comments(8)
Commented by UKAN at 2006-07-10 22:22 x
津軽では指物師と木地師をわけるのですか。合せて木地師とよぶ産地もありますね。専門職をあらわす師ですから、研鑽の上に成り立つ職業。歴史的には木製器具を作る職能の中から精度の高い仕事をされる方々が漆器木地を作ってきて、今日に伝わっているということでしょうか。尊敬したいと思います。漆器に関しては、たまたま輪島にご縁があり、特注したお椀を毎日々使っています。最低40年使えるといわれ、今年13年目になりました。いいものです。
Commented by UKAN at 2006-07-10 22:26 x
以前「名物と職人」という小文が目に留まりました。日本中どこに行っても同じ様な土産物、本来は違うはず・・。だからこそあえて名物を作り出すことによって、職人の仕事が確保される。そして巡ってその土地の生態系が守られる。もちろんそこには、名物の評価と仕事の買い支えという行動が必須として隠されている。指物師土田氏は樹との対話、材の見立てから、作品の行く末まで俯瞰したうえで仕事をされているのかも知れませんね。職人とは誇り高き生き方なのでしょう。
Commented by kashiwa at 2006-07-10 23:32 x
青森県出身なのに私の持っている津軽塗りといえばお箸だけデス。(^^ゞ
びっくりするのはもう14,5年使用しているのですがびくともしていません。先日虫眼鏡ですみずみよく見たのですがまったく傷んだところがありませんでした。あらためて津軽塗りの素晴らしさに感じ入っていたところです。
Commented by marugoto_aomori at 2006-07-11 09:14
>Ukanさん、おはようございます。
今回の土田さんをはじめ、何人かの職人さんとお会いさせていただきましたが、どの方も尊敬せずにはいられない、素晴らしい方たちでした。
多くの職人の手によって支えられている津軽塗が青森にあることを誇りに思い、これからもそれを使っていきたいと思っています。
Commented by marugoto_aomori at 2006-07-11 09:18
>kashiwaさん、おはようございます。
津軽塗の箸、丈夫ですよね。
何か事故で折れでもしない限り使い続けられそうです。
最近は津軽塗も、箸からアクセサリーまでいろんなものがあります。
機会あれば首都圏で行われる物産展や展示会などものぞいてみてください。面白いと思いますよ!
Commented by UKAN at 2006-07-11 10:39 x
数ある中、最も表現が難しいかったページであったように思います。知ってもらいたいテーマでありながら、公的ブログとしての表現範囲で、見栄えのしない漆器生地と地味な仕事の紹介をする作業だからです。ヒバという材も、触って、嗅いで、噛んで、削ってみないと解らないですよね。
土田氏はネットでこのページをご覧になっているのでしょうか?形を変えてでも、多くの寄せ書きが集まり、本人に伝わることも大事ではないでしょうか。土田氏も私達も同士だからです。
Commented by sounn at 2006-07-18 12:10 x
はじめまして。青森には素晴らしい職人さんがたくさんいらっしゃいますよね。
「安いものを追い求めるのではなく、良いものを見極める「目」を育てること、それに見合った対価を支払うことの必要性を感じました。」
とのお言葉にとても同感します。
青森では、素晴らしい職人さんにまだまだ光が当てられていませんが、青森の工芸物の魅力が東京などでは、既に注目されています。青森に地からもっともっと発信していけたら良いですね。
Commented by marugoto_aomori at 2006-07-18 16:09
>sounnさん、はじめまして。
「青森の工芸物の魅力が東京などでは、既に注目されています」
というお言葉に励まされます。
作家ではなく職人である彼らに光りが向けられるよう、
情報を発信していきたいと思っています。


青森の観光・物産・食・特選素材など「まるごと青森」をご紹介するブログ(blog)です


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