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津軽と南部の藩境

青森の素晴らしさは語り尽くせないほどありますが、
その魅力にかなりの影響を与えているのが
「南部」と「津軽」という二つの文化・歴史だと思います。

どれほどの方が立ち寄ったことがあるでしょう?
平内町と野辺地町の境界を少し浜に下りたところに、
旧津軽藩領と旧南部藩領を分ける藩境が残されています。
d0007875_18233295.jpg
別名「四ツ森」と呼ばれるこの「藩境塚」。
底面の直径が10m高さ3.5m、ちょうど古墳のような土マンジュウが、
陸奥湾にそそぐ小流二本又川をはさんで2つずつ、
合わせて4つ並んでいます。
d0007875_1842146.jpg
(↑陸奥湾に向かい小川の左側が旧津軽藩領。右側が旧南部藩領です。)

二つの藩境になんらかの印があることは考えてみれば至極当然のこと。
しかし、全国を旅した司馬遼太郎氏が『街道をゆくシリーズ3 陸奥のみち』の中で、
「私は生まれて初めて藩境というものを見た」
と記していることから、史跡としてはかなり貴重なのかもしれません。

吉田松陰の『西遊日記(九州旅行記)』によれば肥後・筑後の藩境は木柱と石柱であったそう。
司馬遼太郎氏は「藩境が肥後・筑後の木柱や石柱のようなものなら、廃藩置県のときに取り払われてしまったであろう。古墳でも築くように土を盛り上げたればこそ除去されずに遺ったのであろう。」と述べています。

そして、面白いのは「津軽家に領土を横領されたという歴史を持つ南部藩の場合、その境界を木柱や石柱のような簡便なもので済ませるというには、あまりにも思いが深刻だったに違いない。」という司馬遼太郎氏の史観。
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(↑南部藩側の木柱。「従是東南盛岡領」とあります。)

一方、津軽藩については、
「・・・南部衆めが例によって執念深く妙なものをこしらえおった。というわけで対抗上やむを得ず対になる二つを築いたに相違ない。うんざりしているような感じが、津軽側の塚作りのぞんざいさにも表れているような気がした。」と述べています。
d0007875_18202732.jpg
(↑津軽藩側の木柱。「従是西北津軽本次郎領分」。)

今ではどちらの塚もきれいに整備されていますが、かつては、南部藩側の二つがいかにも立派で杉や松が植えられていたのに対し、津軽藩側の二つは萱が生えているだけの粗末なつくりであったとか。

執念を抱く南部衆とうんざりしている津軽衆。
この地に立つと、司馬遼太郎さんが書いたこのくだりを思い出し、
旧南部藩出身の私もついつい笑ってしまいます。

かなり若かった頃、
「青森はひとつ。津軽だとか南部だとか、そんな概念自体をなくすべき。」と思いましたが、
津軽の魅力を知り、南部の魅力を再認識した今、
「南部と津軽があるから青森は奥が深いんだ」と思うようになりました。
津軽藩の文化と南部藩の文化。そして斗南藩の文化。
いつまでも大切にしたいと思います。
by義人
by marugoto_aomori | 2007-08-09 18:30 | 青森の旅 | Comments(21)
Commented by らーま at 2007-08-09 19:25 x
初めて知りました。今度行ってみます。
確かに今も津軽と南部有りますね。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-09 19:36
>らーまさん。
案内版もそれほど大きくないので、平内町狩場沢のあたりに来たら、左側をよーく注意して見てくださいね。ホタテ直売所に気を取られていると行き過ぎちゃいますよ(笑)。
この塚はかなりの傾斜なので、登るときには一気に駆け上がってください。それなりに爽快です(笑)。
Commented by 落武者 at 2007-08-09 19:59 x
言った事ありますが妙に小綺麗に整備されてますよね。
しかし国道沿いにあるので車からよく眺めますがいつみても人の気配はありませんね。
もっと派手に観光地化すればいいのに・・・・・・・
Commented by reev21 at 2007-08-10 00:04 x
こんばんわ~☆

ここの横は良く通りますが、「今度。。。 いや、またにすっかナ」などと思いながら通過。 結局、一度も行ったことなしの有様。
たしかに、青森は津軽と南部の民俗文化の違いがありますね。 言葉も違う(らしい)。 でもですね、政治的なものより、気候風土の違いによるものが大きいんじゃないでしょうか? オヤジ、勝手に解釈しています(反省)。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-10 08:51
>落武者さん。
県南地方に向かうとき、ついつい「みちのく有料道路を通ってしまうので、この場所を通過することはあまりないのですが、たしかにいつ立ち寄っても・・・私だけです(笑)。
芝生もきれいにはられていて、すぐそばには海岸もあって、もっと人が憩っていてもいいのに!と思います。地元の人はBBQなんかやったりするのでしょうか?それとも、互いに遠慮しているのかな?(笑)
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-10 09:30
>reev21さん。
私もそのとおりだと思います。一番の違いは気候風土。気候風土は食文化の違いにつながりますし、生活様式も全然違ったものになりますものね。この気候風土の違いが津軽と南部の文化の違いになっていると思います。政治はその後に成り立っているものですものね。
「青森は一家、県民はみな兄弟!」(こんなフレーズありましたね・笑)
その中にあって、これが津軽の文化だ!とか、これが南部の流儀だ!なーんて誇れるものがあるということが嬉しいです。

ぜひ立ち寄ってみてくださいね。お弁当でも広げたくなるくらい、きれいに整備されていますよ(笑)。
Commented at 2007-08-10 10:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by マットンキッシュ at 2007-08-10 15:13 x
「青森は一家、県民はみな兄弟」?? 硬い硬い^^

観光化も一ひねりしないと青森は元気になりませんね。
たとえば、野辺地戦争記念祭なんていうのは如何?

綱引き大会、歌合戦・・・
そして最大の呼び物は、「南部VS津軽 ほめ殺し大会」
なんていうのはどうでしょう??
採点も厳格に行うノデス。

○津軽弁、南部弁の究めの程度。
○ほめ殺しながら、話し内容の品性。
○時事を取り込む事などに対する評価・・・などなど
審査員は函館やほか近県皆さんにもなってもらう。
ワクワクしませんか~。


Commented by kashiwa at 2007-08-11 12:22 x
こんにちは
藩境というものがあったんですね。興味深い記事でした。私も気候風土の違いと言う意見に同感。気質というものがそこにおのずと作られたのでしょうね。私は南部育ちなので津軽気質は語れませんが、南部の人たちのおっとり型、几帳面、底に持っている強さなど環境に培われたものがあるのでしょう。面白いですね。
司馬遼太郎の(街道をゆく)は同行した画家須田克太(克の字が違います^^;)側から見ました。
Commented by hitomi at 2007-08-11 21:22 x
うう~ん、おもしろい。
このような細かい情報があるから、「まるごと青森」ブログは魅力的なのですよね。次回はレンタカーで回りたいな。司馬遼太郎も、前から読もう読もうと思うばかりでしたが、今度こそ読みましょう。

遅くなりましたが、500回おめでとうございます。
これからの記事にも期待しています。( ^∇^ )/
Commented by e877 at 2007-08-14 13:48 x
たまにはアカデミックな空気が新鮮でいい感じですね。その節はお世話になりました。先日、大阪のMBS毎日放送さんの取材を受けました。もちろん「まるごと青森」さんのインフォメーションのおかげです。放送の予定は18日(土)7:30~のATV青森テレビ「知っとこ」の予定。どうなりますことやら。いろいろとご配慮いただきありがとうございます。よろしかったらぜひ。(モザイクかけられてたりして・・・バナナ最中じゃなく、自分の顔に・・・)
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 16:03
>鍵コメさん。
どういたしまして。
時期的に難しいのは残念でした。組み合わせが可能であればよかったのに・・・。うー、やっぱり残念!ホント、私がいろいろお送りしたいくらいです。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 17:09
>マットンキッシュさん。
ガハハハッ!面白いですね!
綱引き大会に、歌合戦、それから飛脚競争(マラソン?駅伝?)や早馬競争(騎馬戦?)などなど・・・。
いろいろなことが考えられそうです。
メインイベントはやはり「ほめ殺し大会」でしょう(笑)。マットンキッシュさんのコメントにありましたように、品格とか、良識とかもふくめて・・・。ワクワクします(笑)。盛り上がるでしょうねぇ!!
どうせですから、全国から援軍を呼びましょうか。徳川が来たり、会津が来たり・・・。全国から注目されること間違いなしです(笑)。
どこでもできる何かより、そこでなければできない何かの方が絶対意味がありますよね。
よ~し。津軽藩vs南部藩。面白いことやりましょうよ!!

※夏休みにつきパソコンがない国(!)に行ってました。レスが送れて申し訳ございません。
Commented by マットンキッシュ at 2007-08-14 18:19 x
ご存知とは思いますが、野辺地戦争と言うのは「戊辰戦争」のひとコマなんです。しかも戦の終焉の地が、海を越えた函館は五稜郭。今日でも会津あたりでは薩長が・・といっているとかいないとか。青森県と言うのはこの重要なターニングポイントで南部と津軽が喧嘩してしまったのですよ。
そして、ターニングポイントという意味では今の時代もそうなんです。ですから、ここでもう一度青森県を皆で考えなおそうよ!という催し物を考えればいいと思うのです。ケンカや思い違いは何時でもある訳ですけれど、仲直りするのには何か工夫が必要でしょう。青森には「鶴田ハゲマス」とか「おいらせホラ吹き大会」と言った味わい深いことを考える皆さんがたくさんいる訳で、これ等を洗練発展させることが明るい未来に通ずると確信しています。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 18:26
>kashiwaさん。
お墓参りのため、旧南部領に行ってました。・・・藩境塚じゃなく「みちのく有料道路(820円)」を経由しちゃいましたけど(笑)。
気候風土に培われた南部気質と津軽気質。ある意味、血液型の性格判断より正しかったりしますからね(笑)。kashiwaさんは、やっぱり南部人的気質なのでしょう?私は「なーんだ南部衆が。やっぱり!」なんて言われることもしばしばです(笑)。

kashiwaさん的には、「街道をゆく」は、須田画伯の視点からなんですね~。うーん、ふむふむ。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 18:37
>hitomiさん。
ありがとうございます。青森の知られざる魅力を少しでも多く紹介できるよう頑張ります(←大げさですかね?・笑)。
「街道をゆく」シリーズを初めて読んだのは「北のまほろば」でした。それ以来、青森の分はもちろん、自分が行ったことのある土地のシリーズは、なんとなく買ってしまいます。ホントは行く前に読むといいんでしょうけど(笑)。
レンタカーでの青森旅行。お待ちしてますー。そのときは是非一声かけてくださいね。津軽衆と南部衆を一人ずつ準備しておきますからね(笑)。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 18:48
>e877さん。
どうもご無沙汰しておりまーす(笑)。
バナナ最中がいよいよテレビに登場するんですか!?やったー!
でも、勝手に設立した「まるごとバナナ最中研究所(MBM研究所)には一切取材申し込みがなかったんスよ。変ですね~。っていうかやっぱり?(笑)。
18日は絶対見ます。バナナ最中のことはもちろんですが、e877さんの「ソフト○○○○」カットも見逃せませんから(笑)。きっと来ますよ!バナナ最中ブーム。
津軽バナナ最中連絡協議会(!)つくりましょうよ!(笑)
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-14 19:50
>マットンキッシュさん。
青森のターニングポイントを「南部」と「津軽」の戦の地で考える。
ふむふむ・・・。
あくまで私個人の考えですが、「津軽と南部」のことは、タブーということではないでしょうが、あまり積極的にふれられることがなったのでは・・・と?青森のおもしろさを、どちらかといえば伏せてきたのでは?・・・と。
もちろん「仲が悪い」とは思っていませんけど、津軽と南部が互いに分かり合い、楽しめる何かがあって、それで青森の魅力を紹介できたら最高ですね。
Commented by マットンキッシュ at 2007-08-14 23:21 x
義人さん、 もちろん半分冗談を交えて書かせていただきましたが、酒のつまみにでもしていただけたらと思います。

それはそれとして、「クリスマスな県立美術館 」の「小雪さん」にご返事書いてさし上げたら如何でしょうか?私も菊地敦己氏のHPを見たらコナラ、カシワに訂正されていますね。県美は同じ観光局なのでしょうから、事情を確認されて、早いうちに説明しておいたほうがいいと思います。ちゃんと対応しておけば、また青森ファンが増えますよ。
ご担当は なおきさんでしたね。
Commented by marugoto_aomori at 2007-08-15 19:07
>マットンキッシュさん。
冗談半分じゃぁ、もったいないですよ(笑)。
野辺地戦争から150年の節目にでも何か実行できないものでしょうか。
青森らしい何か。やりたいですね~。

ご助言ありがとうございました。
Commented by マットンキッシュ at 2007-08-17 01:34 x
義人さん、 嘱託として委嘱していただければ、何なりとご協力して差し上げる用意はあります^^。
ただ、「クリスマスな県立美術館」の件、なおきさんの「小雪さん」へのご返事を拝見し、「あれ~」と思っているのです。何故、単に生えている、いないではなく、自然と文化の問題であるとし、郷土館に問い合わせてみることをお勧めしたのか。発展形を期待していたのになあ~。「県美ショップVS樹木医」よりも、「観光局VS県立郷土館」のほうがはるかに面白いし、後に多くの実りを期待できるというものです。青森時代、郷土館はフリーパスでした。


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