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大切なひとへ。「南部姫毬(なんぶひめまり)」

南部姫毬というものをご存じでしょうか。
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「毬」は平安朝の頃より人々に親しまれてきた日本古来の玩具。
大きく手毬(てまり)と蹴鞠(けまり)の二種類に分けられます。

「蹴鞠」は二枚の鹿の皮を縫い合わせて作る毬で、
主に貴族の遊びや神事に用いられました。
もう一つの毬、手毬は、
各地に残っている手毬唄にも歌われるように、
子供達の大切な玩具でした。

手毬は当初、芯に糸をまいただけの単純な物でしたが、
やがて、芯に綿やもみ殻、そば殻等を用いて弾性を高めるようになり、
さらに、表面に美しい糸で幾何学的な模様をつけるようになったとか。
ある書によれば、手毬が装飾用として発達しているのは日本だけなのだそうです。

その美しい手毬のひとつが「南部姫毬」。
色鮮やかな模様と愛らしい房かざりが特徴の南部姫毬は、
遠く平安時代の手法を今に伝える伝統的な手毬として、
全国的にも大変高く評価されているようです。
d0007875_1031975.jpg

手毬はもともと公家の玩具でした。
時代の変遷とともに武家でも用いられるようになり、
やがて商人にも広まって、江戸時代の初め頃には一般家庭でもつくられるようになったといいます。
ところが、明治時代に丈夫でよく弾むゴムボールが海外から入ってきて、全国の手毬は急速に廃れていきました。南部姫毬も例外ではなく、一時は姿を消しかけたのだそうです。

しかし、昭和30年頃、手毬の良さが見直されるという全国的な機運の中、
ひとりの男性が南部姫毬の研究に力を注ぎ、
それをきっかけとして南部姫毬が再び注目されるようになりました。

松川利信(昭和九年生)氏がその人。
母より受け継いだ毬の模様と構造を丹念に調べあげ、
さらに模様の研究を続けて、現在の南部姫毬の基礎を再構築したのです。
南部姫毬の基本となる模様は約20種類。
配色や房飾りの組み合わせによって数百種類に及ぶというから驚きですね。

南部姫毬は、邪気を払い、福寿開運を求める人々の身代わりとなって色あせる御守り。
五節句の幸せを祈願して掲げられるのが倣いだといいます。

そういえば、私が生まれ育った古い家の神棚には、
すっかり色あせた毬が吊されていたことを覚えています。
きっと、子供らの幸せを願った誰かが飾ってくれたのでしょう。
その頃は考えもしなかった家族の愛情が今さらながら滲みてきます。
d0007875_1044930.jpg
 (↑色あせた姫毬。家族を見守りつづけたのでしょうね。)
この南部姫毬は八戸駅前のユートリーでも販売中。
大切な人への贈り物に良いかもしれませんね。
by義人
by marugoto_aomori | 2008-03-17 10:09 | あるあるこんなもの | Comments(8)
Commented by reev21 at 2008-03-17 11:53 x
こんにちは☆

オヤジの故郷は、福岡県南部。 
そこの柳川市には、写真のような飾り玉やさるぼぼをたくさん吊るした「さげもん」というのがあり、ひな祭りの大切な飾りものとして、今も受け継がれています。 現在では、普段でも見ることができますし、お土産屋さんで購入することもできます。
Commented by らーま at 2008-03-17 11:59 x
母の実家の神棚下にあり綺麗と見ていたのを
今でも覚えてます。
あれは何処にいったのかなぁ。
もう何十年も前に引っ越しした際どっかにいったのかしら。。
緻密で本当に綺麗ですよね。
Commented by hitomi at 2008-03-17 18:09 x
友人に赤ちゃんが生れたときとか、プレゼントしたら素敵ですね。病気の快気祝いとかも、いいかもしれない。

同じ布の鞠でも、男の子の野球に使われて泥にまみれてのと、神棚の前に飾られるのと(笑)、どちらも素敵。

ユートリーですね、よぉっし。← 今日は力が入る日みたいです。
Commented by はなはな at 2008-03-18 00:06 x
義人さんこんばんわ!最近寝不足なはなはなです。「毬」懐かしいです。青森産ではないと思いますが、祖父母のおうちにあった事を思い出しました^^とってもカラフルな物だったと思います。
あ~大分に帰りたくなりましたよ(笑)
Commented by marugoto_aomori at 2008-03-18 09:37
>reev21さん。
おはようございます。
早速ネットで「さげもん」を調べてみました。美しいですね~。
ひな壇のまわりにズラリと吊された様子は、ホントに愛らしくて、また子供の成長を願う愛情が伝わってきますね。福岡には素晴らしい文化が残されているんだな~と思い、感動しました。子を思う親の心は永遠ですものね。
それに、毬は置く場所をとらないので、最近の住宅事情から考えて、もっと見直されていいのかもしれません。
今度福岡方面に行ったら、「さげもん」や「柳川まり」をじっくり見てみたいと思います。・・・その機会はなかなかないのですが、南部姫毬をつるして強く念じれば、その願いはきっと叶うかも・・・(笑)。
Commented by marugoto_aomori at 2008-03-18 10:10
>らーまさん。
そうでしたかー。お母様の実家の神棚下に・・・。
幼い頃って、自分の背丈が低い分、天井や神棚がとっても高く感じますよね。だから、毬を上から見たことなど一度もなくて、一枚目の写真のように、いつも下からばっかり眺めていたことを覚えています(笑)。
その頃、この毬の意味など深く考えもせず、きっと誰かのお土産かなんかだと思っていたんだろうな~。わかっていたらもっと大切にしたかも。
でも、今回、子供の頃の謎がひとつ解けたような気がしますね。「上の部分はこうなってたんだ~」って(笑)。
Commented by marugoto_aomori at 2008-03-18 10:34
>hitomiさん。
そうですね。女の子が生まれたら特に喜ばれそうな気がします。
reev21さんからいただいたコメントで、柳川に残る「さがりもん」のことを知りました。あちらでは、ひな祭りに欠かせないもののようです。画像で見ただけですが、なんとも華やかで、娘の幸せを願う親の気持ちがひしひしと伝わってくるようでした。
あ、でも「ひな祭り」ってことは、あの毬をいつまでも吊るしてちゃダメということでしょうか?たしか、婚期がどうのこうのとか・・・(笑)。
そんな風に考えると、「南部姫毬」も年がら年中吊してもいいものかどうか、ちょっと心配になります(笑)。

私も、よく泥だらけの「つぎまり」を玄関に飾って(!)いました。
親には「遊んだら片付けなさい!」と言われましたが、泥だらけになった「つぎまり」は、玄関に転がして、・・・いえ飾りながら乾かすのが一番でした(笑)。

うぉっしゃー!ユートリーだーーー!!(←ついつい力が・・・笑)
Commented by marugoto_aomori at 2008-03-18 11:11
>はなはなさん。
寝不足には注意してくださいね。
昨日のニュースでやっていましたが、睡眠時間が短い人は、生活習慣病になる確率が1.5倍に高まるそうですよ。・・・あーー、ごめんなさい。はなはなさんは、まだそんなお年ではなかったですね(笑)。失礼しました(笑)。
祖父母のお家にあったものは「柳川まり」かもしれませんよ。お母さんの健やかな成長を願った祖父母の愛情だったのでしょう。いいですね~。
形にこだわる必要はないと思いますが、願いを託せるちょうど良いものって、考えてみると思い浮かばないですよね。ひな人形や鯉のぼりは大きすぎるし(笑)、ダルマは場合によっては大げさですしし・・・(笑)。


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