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津軽百年キャラクター 金多豆蔵(きんたまめじょ)

金多豆蔵人形一座

「酒好きで失敗ばかりしている金多と、おっちょこちょいでおしゃべりな豆蔵」。

この二人が津軽弁で掛け合い、ふざけあったり、活躍したりする津軽の伝統人形芝居が「金多豆蔵(きんたまめじょ)」です。
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創始者 野呂粕次郎が作った金多と豆蔵は百年キャラクター。

人形劇「金多豆蔵」を考案し、最初に演じたのは旧木造町館岡の野呂粕次郎です。
粕次郎は1884(明治17)年、19才の時に見た上方の人形芝居に感激し、その場で強引に頼み込み、一座に加わって全国を巡業しました。
その後、言葉の違いなどもあって一座の中に溶け込むことが出来ず、一年で帰郷します。
ですが粕次郎はこの一座での経験を生かし、1907(明治40)年に金多と豆蔵という二つのキャラクターを作り上げます。

金多豆蔵の名前は、人は「豆」々しく、健康で働けば、お「金」が「多」く入り「蔵」が建つという意味合いの、とても縁起の言い名前。
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酒飲みで失敗ばかりだけど情けの深い金多。
おっちょこちょいでおしゃべりだけど義理堅い豆蔵。
二人が漫才をしたり、冒険をしたりする中に、世相を嘆いたり、それを笑い飛ばしたりする姿に庶民はこのキャラクターに代弁者を感じ、大いに笑い・そして興奮しました。
特に娯楽の少ない働きずくめの農村では金多豆蔵の人形劇はなによりの楽しみでした。
芝居が終わってもすぐに席を立つ人はなく、皆、芝居の余韻を楽しみ、終わりの太鼓でようやく腰を上げる、それほどの人気だったようです。


二代目「幸八」と弟「重成」。
映画とテレビが芝居から遠ざける。


そんな東北中を巡業する粕次郎の人形一座に1914(大正3)年、木村幸八(当時21)が手伝いとして入ります。
幸八は必至に人形の操り方や言い回しを学び、1936(昭和11)年に2代目を継ぎます。
戦争に出兵し、幸八はしばらく人形芝居を休みましたが、1946(昭和21)年に再開。
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娯楽の少ない農村にまた明るい光りが灯ったように、津軽の村々から公演依頼が殺到します。

しかし、次第に戦後の物資不足が解消され、経済が次第に回復し、人々が明日の幸せを夢見てがむしゃらに働く高度成長の時代にさしかかると、娯楽の中心にあった映画館も地方に建ち並び、次第に農村地帯にまで映画館が建ちはじめます。
それに伴い公演依頼も年を追う毎に少なくなり、1961(昭和36)年には、とうとう幸八は人形芝居の専業を断念します。
そしてサラリーマンなどをしながら、定年後に細々と人形劇を再開しますが、その間、人々の目から金多豆蔵は遠ざかっていくようになります。
1972(昭和47)年には伝統人形芝居普及の功績により、五所川原市から無形文化財の指定を受けますが、老齢と病気も重なり、公演も思うように出来なくなり、後継者育成を断念します。


そして三代目 巌が立ち上がる。

ところが、県内や県外の方々から郷土に古くから伝わっている伝統人形芝居を、後世に残してほしいとの気運が高まり、二代目・木村幸八さんの甥にあたる、木村巌が1994(平成6)年8月に金多豆蔵一座の三代目を継承することになります。

巌は小さな頃から人形が好きで好きで堪らなかったといいます。
それは幸八とその弟で巌の父重成の影響で、常に自分の周りには人形があり、それに触れていたから、と言います。
幸八が金多豆蔵一座で活躍している頃、弟の重成は勘太金兵(かんた・こんぺい)一座を旗揚げし、やはり人形劇を演じていました。
しかし農業に本腰を入れなければならなくなり、人形劇公演の断念を余儀なくされました。
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父が人形劇をできなくなっても、巌の人形師になる夢は捨て切れず、中学を出てすぐに叔父の幸八を手伝い、仕事の合間に修行をしていきます。
6年間の修行の間、巌は幸八から「自分は師匠の粕次郎から教えてもらったものは何一つない。芸は教えたり教わったりするものではなく、盗むものだ。」と言われ、ひたすらに師匠幸八の姿を追いかけてきたと言います。

伝統芸能金多豆蔵には台本はなく、口伝のみ。
片手に一体ずつの人形を持ち、操り、自ら口上する、体中をバラバラに動かし一つの舞台に魅せるとても難しく、しかも腕を上げっぱなしの極めて肉体的にも厳しさを要求させられるものでもあります。


百歳の金多豆蔵の次の百年。

こうして三代目を襲名し、現在では姉の三上輝江の二人で公演しています。
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は明治から続くこの笑いあり涙ありの伝統人形劇を小さな小屋でもいいから常設で見せること、と話す巌。
三代目は100才となった金多と豆蔵の掛け合いを今日も演じています。


そして、100才となった金多と豆蔵の定期公演が決まりました。

【金多豆蔵定期公演日程】
■開催場所:津軽富士見ランドホテル 長生殿
       五所川原市大字羽野木沢字隈無240-163
       TEL0173-29-3260 FAX0173-29-3263
■開催日:平成20年3月 16日・30日(日)
     4月13日・27日(日) 5月4日・
      18日(日) 6月8日・22日(日)
   7月13日・27日(日)
■開催時間:11時から
■料金:大人1,000円 子ども600円
■予約:前日まで
■特典:予約先着20食限定で地元食材をふんだんに使用した女将特製の
「まめし弁当」(1,500円・休憩・入浴料込)がいただけます。

byなおき
by marugoto_aomori | 2008-04-10 12:03 | 青森の旅 | Comments(13)
Commented by ishida55 at 2008-04-10 18:34 x
津軽のユーモア満載ですよね~。
金多と豆蔵、気にいってます。

それにしても、創始者が木造町だったとは。
Commented by ジトマ at 2008-04-10 20:37 x
確か、小学校時代だと思いますが、学校に来たのを見たのが
もううん十年前。
2代目の方が細々とやっていた頃のような気がします。

そのときの印象は鮮明で、特に傘をくるくる回していたのに
感銘を受けたことを覚えています。(違うかな???)

それから、3代目の方が継承した頃、五所川原に住んでいて、
何らかの機会に久しぶりに見たという記憶があります。

そのときに思ったのは、「きんた、まめぞう」ではなく、
やはり、「きんた、まめじょ」。
今も、そう思っています。

また、久しぶりに見たいな。
Commented by clear sky at 2008-04-11 06:16 x
こんな伝統ある人形劇があったのですね。
歴史を読ませていただきましたが、非常に興味深かったです。
一時期、伝統継承が難しくそのまま衰退の道を歩むかと思えば、子供時代に慣れ親しんで忘れられなかった巌さんが金多豆蔵を継承するということで今でもそれが見れるなんて。
芸は盗むもの。この言葉、大工である父も同じ様なことをいっていました。そうやって伝統が引き続いていくのですね。なんだかそういうのがうらやましいなぁ。三代目が今もやっていらっしゃるということで僕もぜひ見に行きたいです^^
Commented by no name at 2008-04-11 13:12 x
素晴らしい伝統ですね。
能や歌舞伎のように有名で大がかりなわけではないですが
地域に根付いて、長く続いている、こういったものこそ
残し続けたいですね。
Commented by marugoto_aomori at 2008-04-11 14:33
>ishida55さま。

こんにちは。
家人の道具をゲットするのに何度かお伺いしていました(笑)

こうして月2回ですが定期的に公演できるようになりましたので、
チャンスがありましたら、ぜひどうぞ。
どうして一人で2体を動かしているのに、こんなことができるん
だろうと、信じられないようなパフォーマンスもあり、内容はも
ちろんそのテクニックに驚いたりしました。
Commented by marugoto_aomori at 2008-04-11 14:37
>ジトマさま。

こんにちは。

ずっと話には聞いていましたし、その人形劇があるというのも
理解はしていたのですが、ワタシは今回初めてこの目でみまし
た。
そしてありましたよ。
傘をくるくる回してる演目も。
いったいどうして人形が持つ傘がクルクル回るのか、見当もつ
かずただただスゴイと感激して見ていました。
そうです「きんた まめじょ」です♪
Commented by marugoto_aomori at 2008-04-11 14:43
>clear skyさま。

こんにちは。
いつもありがとうございます。

ワタシはこのとおりへたっぴ写真。
なのでこれぐらいしか撮れませんでした。
clear skyさんならもっと民俗を感じさせるような写真が撮れる
と思いますよ。
津軽の伝統人形劇ですので、機会がありましたらぜひどうぞ。
Commented by marugoto_aomori at 2008-04-11 15:15
>no nameさま。

こんにちは。
おっしゃるとおり、同感です。
特にこうした大衆に愛された芸能は心の中からしみ出るような
何かを感じさせてくれます。
時代の流れの中で新しくて輝くものの中に埋没して、古いもの
と言って関わりを薄くしてしまうのではなく、積極に関わろう
としていけば大衆文化は残っていくんだと思っています。
ワタシも見に行こうかな、と思っています♪
Commented by clear sky at 2008-04-14 10:47 x
いや、私なんてそんなことないんですよ。ほんとです。。。
よさそうに撮れる場所と時間帯を探して行っているだけです。
だから本当に技術とかそういうのないですよ。
なおきさんの写真、この良さを十分に表したいい写真だと感じました。
そう思ったから更に行ってみたいなぁって感じたんです♪
それにこんな貴重な情報を提供していただきありがたいです。
普通に暮らしていたら、全く知らずに過ごしていたに違いありません。
ありがとうございます。
Commented by shori at 2009-06-13 06:34 x
テレビ朝日で特集してました。
とても素敵な伝統人形劇ですね。
こんな面白いものが地元にあれば、私も故郷に戻るのだけど…
本当に大変そうですが、ぜひ4代5代・・・とずっと続いていってもらいたいものです。
農業があるとのことですので、東北地方以外にも出張公演は難しいのでしょうか。
すっかりきんたとまめじょのファンになってしまいました。
Commented by 津軽富士見ランドホテル at 2009-12-28 06:55 x
昔ながらの伝統文化には、人の心の原点が隠された味わいがあるものです。この人形芝居も当時の娯楽文化を知る上で、とても大切な文化遺産ともいえます。当 施設では、地域の楽しみ方の一つとして場を提供し、後世に残るよう一座と共に普及活動を推進して参ります。
Commented by 斉藤今朝雄 at 2011-05-06 21:49 x
おもしろい!
Commented by marugoto_aomori at 2011-05-09 21:33
>斉藤様
コメントありがとうございます。群馬でも放送されていたのですね。毎月第1土曜日には、津軽鉄道の津軽中里駅で公演を行っていますので、ぜひ青森にお越しいただき、直接ご覧になってください。(5月2日付けのブログへのコメントにつきましては、安全上の理由から削除させていただきました。)


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